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頑張る会社をもっと強くする!節税ブログ
事前確定届出給与の利用率は、ザイムパートナーズのお客様では 結構高いです。
文字通り、『事前』に『税務署へ届出』する給与です。 届出しない場合は、月給(定期同額給与)と退職金を除いて、法人税法では 役員への臨時支給額は、経費(損金)になりません。
さて、その事前確定届出給与ですが、届出はしているものの届出と 異なる内容で支給したら、どうなるの?というご相談を必ず受けます。 国税庁が公表している法人税法基本通達にも書かれていますし、ほとんど の税理士が周知しているはずですが、記載内容を確認してみましょう。
法第34条第1項第2号《事前確定届出給与》に規定する給与は、 所定の時期に確定額を支給する旨の定めに基づいて支給される給与をいう のであるから、同号の規定に基づき納税地の所轄税務署長へ届け出た支給 額と実際の支給額が異なる場合にはこれに該当しないこととなり、原則と して、その支給額の全額が損金不算入となることに留意する。
下線部のとおり、届出した金額と異なる場合には、経費にはできませんと 書いてあります。 とはいえ、通達は法律じゃないだろう?損金を認めなさい・・・と思ったのでしょうか?裁判で争ったケースがあります。
なお、納税者敗訴で確定しています。判決内容は、下記のリンクが分かりやすいです。
東京高裁・平成24年(行コ)第424号(平成25年3月14日判決) 原審・平成23年(行ウ)第652号(平成24年10月9日判決)
この事例は、年に何度か臨時給与を支給するうえで、事前確定届出 給与の届出をしたけど、そのうちの1回が届出額より少なかったケース です。
夏の賞与は届出どおりだけど、冬の賞与が届け出より少なかった。 一度でも届出額と違えば、他の支給額が届出どおりであっても、他の 支給額も経費にならないと判断されました。 実務上、目新しい判断ではなく、当然な判断ではあります。 届出内容に、何月何日にいくら支給すると書くわけですから、それと 違う場合に経費(正確には損金)にできるという判断は拡大解釈なの だろうと、思います。
この論点以外にも、通達で示されている内容はチェックしておくべき 基本通達として、下記はお客様にもよく質問をいただきますので アップしておきます。
法第34条第1項第2号《事前確定届出給与》の「確定額」には、 現物資産により支給するもの、支給額の上限のみを定めたもの及び一定 の条件を付すことにより支給額が変動するようなものは、これに含まれない。
現物資産(土地とか車とか)は、日によって時価が変わるから金額確定 が届出時点でできないからですね。また、上限額を定めるだけの届出も アウトです。 結論としては、届出た金額と支給日は守ってね。だったら経費にしてOK と、お上(国税庁)は考えているということです。
この節税ブログは、お上の考え方を肯定する内容が比較的多いので、お上と戦え!的な 思想を持つ人は読まない方が良いです。 ザイムパートナーズは、お上の考え方を理解した上で、自分の思う方向(節税)に如何に 近づけていくかという現実論の方が良いと思います。
また、この考え方に ご納得いただけるお客様の節税を一緒に考えていきたいです。お客様が、おかしな方向に行かないように意見すること。意見する勇気を 持つことが、税理士として大切だなと思います。
いろんなお客様と話をする なかで、そう確信しているザイムパートナーズでした。
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