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2017/10/20

2017.No10 外国人を採用するときに、注意しておきたいポイント

少子高齢化が進み、日本の労働力人口は加速的に減少する時代となりました。労働力を確保するため、外国人を受け入れる企業も年々増えています。厚生労働省の報告によると、日本で働く外国人労働者数は108万人を超え(平成28年10月末現在。特別永住者、在留資格「外交」・「公用」の者を除く。)、過去最高を記録しています。

外国人を採用するにあたっては、日本人とは違う視点でその人材の状況を把握する必要があります。外国人の採用を決める際に必ずチェックすべきポイントを確認しておきましょう。

 

◆在留資格を確認する。

在留資格とは・・・

 外国人が日本に入国、在留するためには、「出入国管理及び難民認定法(以下、「入管法」。)」により、いずれかの在留資格を取得しなければなりません。日本に在留している外国人は、入国の際に与えられた在留資格の範囲内で、かつ定められた在留期間内に限って就労することが認められています。

 在留資格は、平成29年9月に「介護」が追加され、全部で28種類となりました。それぞれの在留資格には、日本で行うことができる活動内容が規定されています。

 

就労が認められている在留資格とは・・・

 在留資格は、主に以下の4つに分類されます。ここでは各在留資格の詳細については述べませんが、それぞれの分類によって、以下のような違いがある点に注意しましょう。

 

在留資格の確認方法は・・・

 入管法上の在留資格をもって日本に中長期間在留する外国人は、必ず『在留カード』が交付され、常時携帯することとなっています。この在留カードで【在留資格】のほか、【在留期限】、【就労制限の有無】等を確認します。

在留カードの見方については、こちらの『名古屋の会社を強くする労務ブログ:雇用保険に入らなくても、ハローワークに届出が必要?』も参考にしてみてください。

外見だけでは、なかなか国籍の判断は難しいものです。必ず公的な書類で確認しましょう。ちなみに、日本国籍であることを公的な書類で確認する場合は、本籍を省略していない住民票を提出してもらうと確認できます。(もちろんパスポートでもOKです。)

 

◆労働基準法を遵守する。

 原則として、日本国内で就労する限り、外国人労働者にも労働関係諸法令の適用があります。労働基準法第3条では、国籍を理由とする差別的取り扱いを禁止しています。労働者の国籍、人種、信条等を理由に外国人労働者の賃金を下げたり、その他の待遇を低くしたりすることは法令違反となります。もちろん、給与水準も日本人と同等でなければなりません。

 

◆雇用契約書を締結する。

 労働基準法第15条では、使用者は、労働契約の締結に際し、労働条件を書面で明示しなければならないと定めています。外国人労働者に対しても同様です。とくに外国人は契約に対する意識が強く、入社後にトラブルを発生させないためにも、日本人労働者の場合よりもより明確かつ詳細に労働条件を定め、「雇用契約書」を作成しましょう。そして、しっかりと説明し、内容を理解してもらうことが大切です。契約の際は日本語とともに外国人労働者の母国語による条項を併記した契約書を交わすとより良いでしょう。

 

◆社会保険に加入する。

 外国人労働者を雇用した場合、日本人と同様に、原則として、労働保険、社会保険に加入させなければなりません。特に社会保険は、保険料の負担が大きいことから、外国人労働者本人も保険料を支払いたくないなどの理由で加入手続きを行わない会社もあるようです。本人の希望の有無に関わらず、要件を満たす場合は、手続きを行う必要があります。

◆外国人雇用状況について届出を行う。

雇用対策法で、一人でも外国人(特別永住者及び在留資格「外交」・「公用」の者を除く)を雇用する事業場の事業主は、その雇入れ・離職の際に、届出が義務づけられています。届け出の方法は以下のとおりとなっています。

外国人雇用状況報告書の記入方法については、こちらの『名古屋の会社を強くする労務ブログ:雇用保険に入らなくても、ハローワークに届出が必要?』も参考にしてみてください。

 

◆さいごに

繰り返しますが、外国人を雇用する場合は、在留資格の確認・管理を徹底しましょう。プライベートの状況が変わると、在留資格が変更となるケースもあります(在留資格「日本人の配偶者等」の者が離婚した場合など)。在留資格が切れていることに気付かず働かせていた場合、不法就労となり、事業主も不法就労助長罪にも問われかねません。日頃から外国人労働者とコミュニケーションをとり、状況を把握しておくこと、また、状況に変化があれば報告を受けられる関係性を構築しておくことも大切です。

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