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国税不服審判所の裁決事例に、グループ会社への外注費を損金に認めず、 資金援助であると認定した事例がアップされています。
↓下記が要旨です。
請求人が損金の額に算入したグループ法人に対する業務委託料は、 当該グループ法人に対する資金援助を仮装して計上されたものであり、 対価性がなく寄附金の額に該当するとした事例(平成23年8月23日裁決)
要は、業務委託料(外注費)として、支払っていたけど業務委託の実態が なく、単なる資金補填(寄附金)として認定されたわけです。 グループ会社をいくつか所有するお客様から、業務委託料についての ご相談を受けますが、ポイントは2つあります。
(2)業務の提供はなされているが、その対価は適正か?(高すぎないか?)
この2つがポイントであり、業務委託契約書の有無は二の次です。 「契約書があれば経費(損金)になるのでしょ?」 というご意見をいただくことがありますが、契約書など税務調査の現場では、大して 重視されません。問題の本質は、本当に業務提供がされているかです。 今回の裁決も(1)が焦点になっています。
本件では複数のグループ会社への業務委託料が 支給(実際にはグループ間の債権と相殺)されていますが、契約書への業務記載 内容は、下記のとおりです。
・委託内容は、営業に関する一切の業務とする。
・委託内容は、経理処理(伝票処理及びその他一般事務)及び営業に関する 一切の
業務とする。
さて、上記の業務が行われていたかを判断する上で、国税不服審判所が提示を 要求した書類を追っていくと、出張報告書及び営業実績表というのが挙げられて います。営業を委託されたなら、どこへ営業に行ったのか?を確認したわけですね。 この書類は提示されなかったようです。
また、事務等委託契約に示された業務は請求人の従業員が行っており、受託会社 の従業員が行っている事実は認められず、請求人は、そもそも業務といえる内容 のものではない委託業務について本件事務等委託契約を締結し、また、委託業務 実施の有無にかかわらずに長年にわたり事務委託料の支払を続けていたとのことです。 詳細は裁決を読んでいただくとして、ポイントは契約書の有無ではなく、 実際の委託内容が履行されていたか、そこに尽きます。
実際に誰がいつやっていたのか?この事実を書面で立証できるレベルでないと 業務委託料の支払いは難しいと思われます。
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