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2016/01/06

5分で分かる?名古屋国税局の法人統計資料をチェック

平成27年11月に、名古屋国税局より『平成26事務年度における法人税等の申告事績・調査実績の概要』が発表されています。名古屋国税局の管轄である、愛知・岐阜・三重・静岡の4県の法人の申告状況と税務調査の実績統計を知ることができます。税務調査の実績統計に着目してチェックしていきましょう。

◆ 税務調査による修正割合

概要によると、平成26年7月1日〜27年6月30日までの1年間で、税務調査は12,286件ありました。そのうち、非違件数は8,884件と、調査があれば約70%は何らかの非違(修正)事項があったことになります。10社調査すれば、7社は修正申告をしていると考えてもよいでしょう。視点を変えれば、3割の会社は修正なしです。『税務署が来たら、何かお土産(追徴税金)を出さないと帰らないのですか?』というご質問をいただくことがありますが、決してそんなことはないとご理解いただけると思います。ちなみに不正発見割合は21.4%と公表されています。10社に2社は悪質な(仮装・隠ぺいを伴う)経理処理をしているとも言えます。なお、管轄内の法人数は320,173件とのことです。320,173法人に対して、税務調査が12,286件ですから調査に当たった確率は3.8%。26年に1回税務調査に来るというのが、名古屋国税局管轄の全法人での平均値になります。

◆ 不正発見割合の多い業種をチェック?

税務調査があったときに不正だと認定された案件(売上隠蔽等の重加算税案件)が多い業種も発表されています。上位10業種は下記となっています。前述したとおり、全業種での不正発見割合は、21.4%です。

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上記は不正発見割合であり、不正脱漏所得金額が多い業種というわけではありません。所得金額でのワースト10業種は、下記のとおりです。上記の不正発見割合の高い業種と見比べると、景気の恩恵を受けている業種(今回は、ある意味バブルっぽい)が多いですね。不動産・建設関連の業種が目立ちます。

順位 業種目
1 自動車・同付属品製造
2 その他の機械製造
3 建売、土地売買
4 その他の不動産
5 その他の金属製品
6 廃棄物処理
7 一般土木建築工事
8 土木工事
9 その他の対事業所サービス業
10 土木建築サービス

 

ちなみに、名古屋国税局の管轄法人の黒字申告割合は29.5%です(黒字申告とは、過年度から繰り越された欠損金等を控除した後の所得金額が黒字である法人の申告のことです。26年度だけ黒字になった法人の申告という意味ではありません)前年より1.9%アップしています。累積赤字のない、健全な会社の割合は3割ほどだと覚えておくと良いでしょう。

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