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2016/10/17

一般社団法人の気になるアレコレ

◆一般社団法人ってどんな会社なの?

一般社団法人は、登記のみで設立することができ、誰にでも自由に活用できる法人なのですが、
まだまだ認知度が低く、利用が進んでいないのが現状です。一般社団法人の気になるアレコレ
をまとめてみました。

まず、「社団法人」とは、 “人の集まり” を意味しています。 そのため、設立には2名以上の
出資者が 必要です。 なお、法人でも一般社団法人の出資者になれます。

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ちなみに、株式会社では、出資者のことを「株主」といいますが、一般社団法人の場合は
「社員」といいます。 「社員」といっても、いわゆる従業員のことではありませんので、
ご注意ください!また、取締役などの役員のことは、一般社団法人では「理事」といいます。
即ち、代表取締役は「代表理事」となるわけです。
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◆設立時のアレコレ

一般社団法人は、資本金不要で費用も安く設立することができます。設立時のアレコレを、
株式会社と比較してみましょう。

hikaku    設立登記手続きを司法書士等に依頼する場合は、この他に別途手数料がかかります。

 

◆一般社団法人と株式会社との違いは?

一般社団法人と株式会社との決定的な違いは、「利益の分配(配当)ができるかどうか」
です。

株式会社は、株主に対して、利益の分配(配当)を行うことができますが、一般社団法人は
利益の分配はできません。 利益は次の事業活動のために繰り越すことになります。

税金について、一般社団法人は、法人税法という法律で株式会社と同じに扱われます。
一般社団法人の特性上、株式会社と若干異なる部分はありますが、株式会社と同様に法人税が
課税されますし、実務上、法人税負担の優劣はありません。

[参考]税金計算上の相違点
一般社団法人は、資本金がないので、資本金を用いた規定は使えません。

→交際費の定額控除限度額には簿価純資産
→寄付金の限度額は所得基準のみ
→特別償却等の中小企業者の判定には人数のみを使用

なお、法人税の税率は、資本金1億円以下の法人と同じ扱いです。

 

◆一般社団法人に関する誤解

一般社団法人は利益を出してはいけないのか?

前述の通り、一般社団法人は利益の分配(配当)はできません。これを、「利益を出しては
いけない(儲けてはいけない)」と勘違いされることがありますが、そうではありません。

株式会社は、利益を配当として分配します。株主はそれを期待して出資します。一方、
一般社団法人は、利益は次の事業活動のために繰り越します。

「利益が出たら、出資者や会員に還元するのではなく、次年度以降の活動を拡げるために
使いましょう」というのが一般社団法人なのです。

役員(理事)に報酬は出してはいけないのか?

一般社団法人の役員であっても、職務遂行の対価として、報酬を支払うことはもちろん
可能です。

公益(公共の利益)になる事業をしなければならないのか?

一般社団法人のうち、公益目的事業を行う法人は「公益社団法人」の認定を受けること
ができ、税制面で優遇されることがありますが、一般社団法人には事業の制限はありません。

 

◆一般社団法人の資金調達

基金
 一般社団法人の特徴として、「基金」という資金調達の手段があります。

株式会社での資本金と似ていますが、資本金は返還義務がないものであるのに対し、
基金は、一定の要件等のもとに返還義務を負います。

会費
 一般社団法人では、構成員である社員(出資者)が経費の負担をする義務を定款で
定めることができます(一般社団法27)。
[経費の負担 = 会費] ?つまり、「一般社団法人●●協会」の会員から会費を
徴収し、会費を元に活動をする。?というイメージです。

借入金
 一般の法人と同じように、銀行などの金融機関から融資を受けることも可能です。

 

◆一般社団法人のメリット・デメリット

(メリット)
●設立費用が安い
株式会社の設立費用(法定費用)   202,000円
一般社団法人の設立費用(法定費用) ?112,000
(注)司法書士等が手続代行をする場合は、その他に別途報酬がかかります。

●どんな事業をしてもOK
一般社団法人が行う事業に制限はありません。

●非営利活動団体であること
「非営利 = 利益を分配しない法人」であることから、株主のための事業ではなく、
社会性や公共性の高い事業をしているという印象を与えることができます。


(デメリット)
●認知度が低い

●利益の分配(配当)ができない。

●出資者が2名以上必要。ただし、出資者は法人でもOK

 

一般社団法人は、そもそも、「人の集まり」 に法人格を持たせたものなので、
利益を分配することを目的とした株式会社とは取扱いが異なる部分もありますが、
一般的に株式会社でも行っている事業をしている限りは「株主がいない株式会社」
と同じだと考えていただいて差し支えありません。

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