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2017/04/04

売電目的の太陽光発電設備には優遇税制はない

◆太陽光発電設備には売電用と、それ以外の2種類がある。

太陽光発電設備については、税制上の優遇措置がありました。いわゆる即時償却または税額控除です。導入年度に、その購入額の50%を損金にできる(または、購入額の最大4%を法人税から差し引ける)ということもあり、太陽光発電設備を決算の節税対策として導入するケースも多かったのではないでしょうか?

購入額の半分を一括損金(プラス普通償却も損金)にできたうえで、売電すれば一定の収入が入ってくるわけで、節税効果を考えれば、賃貸不動産(マンション等)を買うよりも利回りが良いと判断する方もいたことでしょう。

もちろん、太陽光発電設備を導入するだけで優遇措置が受けられるわけではなく、導入前に経済産業局に計画の申請をするという一手間は必要でしたが、太陽光発電の購入価格は最低でも1千万円にはなることが常で、大きな節税効果を考えれば、その手間を厭わない方も多かったでしょう。

この優遇税制は、生産性向上設備投資促進税制と呼ばれていました。呼ばれていたというのは、平成29年4月1日以後に導入した設備については、上記税制は廃止され、中小企業経営強化税制という新税制の適用を受けることになったのですが、この税制は売電事業を行う会社は適用できなくなっています。

下記の経済産業省のパンフレット(中小企業経営強化税制 Q&A集)にも、次のとおり記載されています。

(質問)売電のみを目的とした太陽光発電設備の導入は対象になるのか?

(回答)全量売電の場合には、電気業の用に供する設備になると考えられます。電気業については中小企業経営強化税制の指定事業に含まれておらず、対象となりませんのでご注意ください。一部について自家消費や余剰売電を行う場合につきましては、個別の利用状況に応じた判断になります。個別ケースにおいて判断に迷われる場合は、所轄の税務署までご確認ください。

(なお固定資産税の特例については、対象になりえます。)

◆ グリーン投資減税も中小企業投資促進税制も、対象外

これにより、電気業(売電事業)用の太陽光発電設備は優遇税制を受けることがなくなりました。受けられるのは、いわゆる自社利用(例えば工場の電力を太陽光発電で賄う)のケースに限られます。

太陽光発電設備は、いわゆるグリーン投資減税(環境関連投資促進税制)の対象にもなっていますが、これも電気業用のものは対象外です。また、機械設備が対象となる中小企業投資促進税制も電気業は対象としていません。

これからは、耐用年数17年での普通償却をする以外になく、太陽光発電の導入企業は減りそうですね・・・。

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