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頑張る会社をもっと強くする!節税ブログ

2017/06/04

中退共を導入するときに知っておくとトクすること

◆中小企業退職金共済制度のポイント

略して中退共と呼ばれていますが、この制度は文字通り、中小企業の従業員向けの退職金制度です。会社が掛け金を支払い、従業員の退職時に退職所得として支払われます。正社員の場合、掛け金月額は5千円〜3万円までの幅があります。通常は社員の勤続年数や役職により増減するように基準を定めます。

 

掛金は全額経費となり、かつ所得税はかかりません。ただし、ある特定の社員だけを対象にする場合には給与として認定されるため所得税が課されます。A君はナイス社員だから対象。B君は何となく気に入らないから対象としないというのは、A君に所得税が課されるので注意が必要です。決まりはありませんが、勤続1年OR3年以上の社員を対象とするケースが一般的だと思われます。

 

難点は、どんなヒドイ辞め方をしても退職金が従業員本人に直接振り込まれてしまうことです。ここを敬遠する会社も多いです(そういう場合は、解約を前提とした生命保険で退職金を準備することが多いです)。横領しようが、社内の調和を乱そうが退職という事実には変わりないので退職金額に減額は起きません。

 

とはいえ、自社の福利厚生制度をアピールしたい会社であれば導入する価値はあると思います。長く勤められる会社というイメージアップにも寄与するでしょう。

 

◆加入するなら知っておきたい、2つのポイント

①新規加入助成

中退共に初めて加入する会社には、この新規加入助成があります。

掛金月額の50%(従業員ごとに上限5,000円まで)を加入後4か月目から1年間、国が補填してくれます。なお、パートタイマー等短時間労働者の特例掛金月額(掛金月額4,000円以下)加入者については、更に次の額を上乗せして助成されます。

掛金月額2,000円の場合は300円

〃   3,000円の場合は400円

〃   4,000円の場合は500円

 

➁職場定着支援助成金の活用

この助成金はコースが複数ありますが『評価・処遇制度』というコースを使います。このコースは、勤続年数に応じた退職金の支払制度を新たに作り、その原資を外部に積み立てる(要は中退共)ことを実施すると、10万円がもらえます。

その後、離職率が低下すると、追加で最大72万円が受給できます。退職金制度を導入して、社員満足度が上がり、その結果、社員が安心して仕事に取り組めることで離職率が減れば助成金がもらえるということです。

合計で82万円がもらえるので、やる価値はあります。ただし、受給するには1年〜2年はかかるのでご注意ください。

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