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頑張る会社をもっと強くする!節税ブログ
会社にとって資金繰りは重要なポイントです。
特に、融資を受けている企業は、毎月、固定的に現金流出(返済)が発生します。
そのため、相応の利益を毎月稼ぎ出さないと返済ができません。
そこで今回は、返済可能税引き前利益(以後、「返済可能利益」と呼びます。)の計算方法について確認します。
この考え方を使えば、自社がどの程度の融資額までならば資金繰りの観点から問題が無いか、検討ができます。
次の算式の状態であれば、資金繰りの問題は通常起きません。
65%は、実効税率を35%とした場合の「税引き後利益の割合」です。
税金を払った後のお金で借入返済をしないといけないので、そこを加味しています。
減価償却費を加算するのは、損益計算書上の減価償却費は費用となりますが、実際は同額の現金支払がないからです。減価償却費分はお金が社内に留保されると考えるためです。(これを減価償却費の自己金融効果といいます。)
この算式を組み替えると、実際の返済額に対して稼がないといけない利益が算出できます。
例えば、返済額500万/年、減価償却費130万/年、繰越欠損金なし。のA社の場合ですと、下記となります。年間570万円の税引き前利益が必要になります。
=570万円/年
上記数値を参考に、無理のない返済計画を基に融資を受けることが可能となります。
また、現在ある融資返済額を無理なく返済するためには、毎月いくらの利益が必要なのか?それも上記の算式で計算できます。さらに、必要な利益が分かれば、逆算して目標売上(返済可能売上)も計算可能です。
今度は月ベースでの、①返済可能利益と➁月次返済可能売上高を計算してみましょう。
例えば、減価償却費30万円/月、毎月返済額35万円、繰越欠損金なしのB社の場合。
B社は、毎月返済額35万円の返済可能利益を稼がないといけません。もし返済可能利益を稼ぐことができない場合は、預金残高が減っていきます。返済能力以上に返済をしている状態になってしまいます。
毎月の返済可能利益×65%=35万円-30万円
毎月の返済可能利益 = (35万円―30万円)÷65% ≒77,000円となります。
そして、このB社が、固定費250万/月、粗利益率33% の場合、毎月の必要売上高は下記の通りとなります。
必要売上高=(250万円+77,000円)÷33%
≒781万円
この計算で出された数値と現状を確認し、財務面から経営のバランスを確認することができます。
なお、返済可能利益の算出方法は、企業の置かれている状況により異なります。
繰越欠損金がある場合、今期の利益見込額がそれを超過するか否かで算出方法が変わってきます。もし、繰越欠損金が存在し、その金額以内での利益しか生じない場合は、返済可能利益は下記の算式で計算できます。
ただし、繰越欠損金を使い切ったあとは、税金を考慮しないといけないため、予め税金を考慮した形(税引前当期純利益×65%)で返済可能利益を算出しておくことがベターかと思います。利益が年400万円以下の会社であれば、実効税率はもっと低いので65%を76%と読み替えて計算しても問題ないでしょう。
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