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◆NPO法人は、実は面倒くさい?
NPO法人は、特定非営利活動法人と法律上は呼ばれます。いわゆる株式会社とは違い、営利活動(要するにビジネス)をメインに行う法人ではありません。
とはいえ、営利活動を行ってはダメなわけでもありません。何となく公共性も感じてもらえるし、営業上も受け入れられやすいのでは・・?と考える方もいるようです。
しかし、NPO法人は、事務的には面倒なことだらけです。何が面倒かといえば下記です。
①税務署だけではなく、都道府県知事に報告書を提出しないといけない。
➁貸借対照表の登記を毎年しないといけない。
③三親等内の親族役員は、1名のみ(理事1名・幹事1名)理事は3名は必要。
④社員(いわゆる議決権者。出資は求められていません。)が10名以上必要
⑤んなに面倒なのに、法人税の税率は株式会社と同じ
なお、②は遅くとも平成30年10月1日以後には不要となります。その代りに貸借対照表を公告することになります(簡単にいうと新聞やインターネット上で、誰にでも見てもらえるようにすること。そういう意味では手間は同じですね)。
また、③を考えると、配偶者等の親族を役員にすることが難しいです。その考えは?にもでていますね。10名も必要だと、身内だけで議決権を獲得することは難しいです。とはいえ、社員(議決権者)については役員のような親族制限はありません。
ここまで書くと、ビジネスで使う組織ではないことは理解いただけるかと思います。株式会社の方が運営は簡単ですので、NPO法人を作る場合は、通常は決まった会員に限定した会費による運営を基本とする事業以外では推奨しません。
ただし、NPO法人の場合は、上記の会費収入による運営ビジネス(ビジネスというより会の運営といった方が良いですね)については法人税そのものを課しません(通常は消費税も不課税)。そのメリットはあります。
いずれにしても、NPO法人の運営は面倒であることは間違いありません。税理士的な視点で考えると、都道府県への報告書式も通常の決算報告書とは異なるため、手間がかかるのが難点ではあります。それでも、収支報告書→活動報告書に変更となったので、幾分かは楽になりました。
ちなみに、活動報告書とは、株式会社でいう損益計算書とほぼ近い内容の書類です。収支報告書はキャッシュフロー計算書に近いもので、通常の簿記会計に慣れ親しんだ人には馴染みにくい書類だったので、この変更は良かったですね。徐々に株式会社に近い報告体系になってきてはいます。
安易に設立するようなことはしないように・・・。
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