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頑張る会社をもっと強くする!節税ブログ
◆ 平成30年に所得税の改正があります(配偶者控除)
来年(平成30年)に、所得税の改正が決まっています。具体的には配偶者控除の縮小です。分かりやすくするために、社長とその奥様を例に解説します。頑張っている社長さんで月給は102万円以上になりました。奥様と結婚したばかりで、お子さんはこれからのラブラブ専業主婦で、社長を支えています(ラブラブでなくとも所得税は同じですが)
平成29年までは、社長の所得税計算において、奥様は配偶者控除の対象となります。月給が100万円だろうが、1千万円であろうが、奥様の合計所得額が38万円以下であれば、社長の給与の大小に関係なく、社長の所得から配偶者控除38万円を差し引いて所得税を計算します。
・・・といってもピンと来ないかもしれないので、実際、どれぐらい税金が減るのか検証してみましょう。(復興所得税の計算は少額なので割愛しますね)
月給102万円の社長は年収1,224万円です。月給102万円の場合、平成29年9月での愛知県の社会保険料は、月11万6315円(介護保険含む)です。年間ざっくり140万円です。生命保険料控除は限度額マックスの12万円とします。
そうすると、29年度の課税所得と税金は下記となります。
年収 | 12,240,000 ? 円 |
▲給与所得控除 | -2,200,000 |
▲社会保険料控除 | -1,400,000 |
▲生命保険料控除 | -120,000 |
▲配偶者控除 | -380,000 |
▲基礎控除 | -380,000 |
課税対象所得 | 7,760,000 |
給与所得控除は、年収に応じて変動しますが、実は年収1000万円超の方は一律220万円の控除と決まっています。社長でもサラリーマンでも同じです。基礎控除は所得金額にかかわらず、誰も一率38万円となります。
776万円が所得税の対象になるわけですが、776万円の所得税率は23%に達します。所得税の金額は114万8800円になります(776万円×23%−636000円で計算)
所得税の速算表 | ||
課税される所得金額 | 所得税率 | 控除額 |
195万円以下 | 5% | 0円 |
195万円を超え?330万円以下 | 10% | 97,500円 |
330万円を超え?695万円以下 | 20% | 427,500円 |
695万円を超え?900万円以下 | 23% | 636,000円 |
900万円を超え?1,800万円以下 | 33% | 1,536,000円 |
1,800万円を超え4,000万円以下 | 40% | 2,796,000円 |
4,000万円超 | 45% | 4,796,000円 |
◆ 配偶者控除の適用がないと、所得税はいくら増える?
38万円の配偶者控除により、このケースでは38万円×所得税率23%=8万7400円の減税になります。そして今回の社長の月給を中途半端な102万円とした理由は、平成30年より年収1220万円を超えると配偶者控除が使えないことになるためです。
1220万円÷12ヶ月=101万6,666円。千円単位で給与を決める社長はあまりいないでしょうから、102万円と切り上げたわけです。平成30年からは年収1220万円超えの社長は、逆に87400円の所得税増税となってしまうのです。月給目安として102万円になると税金が増えるのだな・・・と憶えておいても良いでしょう。
平成30年からは、奥様が無所得であっても社長の年収が1220万円を超えると配偶者控除は一切なくなるので、奥様が無所得だからといって、毎月の給与計算で扶養親族としてカウントしてしまうと、毎月の天引き所得税が少なく徴収されることになります。年末調整のときに還付ではなく、所得税の徴収不足となるケースもでてくると思いますので、給与の担当者は注意が必要です。平成30年以降の源泉徴収については、国税庁のパンフレットが参考になります。
◆ 所得税だけではなく住民税も増税となります
配偶者控除は、所得税だけでなく住民税計算にも同様に適用があります。金額は38万円ではなく33万円。住民税率は所得の多寡にかかわらず一律10%なので、33万円×10%=33000円の増税となります。(名古屋市のように5%減税があるところもありますが基本は一律です)
所得税と合算すると、12万円強の増税ですね・・・。ちなみに年所得が4000万円超の最高税率の方ですと、21万円ほどの増税になります。
というわけで、頑張る社長の税金は、増税ということになります。悲しいですが、だからといって年収を下げる社長はいないと思いますので、ガンガン稼いで納税後の手取り額を増やしたいところです。そういう社長さんを応援する税理士事務所でありたいです!
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