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2017/09/01

個人開業医の窓口収入値引きの税務処理

いわゆる窓口値引き(3割負担分を故意にもらわない)ということが、クリニックには稀にあります。その時の税務仕訳で迷われる税理士さんもいるようなのでメモとして記しておきます。下記となります。

 

<個人開業医の窓口収入の税務処理>

 
窓口収入値引先 措置法26条適用 措置法26条の適用なし
患者  

(借方)適当な経費科目/

(貸方)売上

処理不要
親族以外の関係者
従業員
家族・親族 処理不要※

※ただし、処理不要でも薬代については自家消費として仕入額若しくは売値の70%のいずれか高い額を売上計上することを忘れてはいけません。ここがポイントになります。

ちなみに、役務提供(診察)については、自家消費の概念はありません。要は診察は原価がかかてないので無料で診てやっても良いけど、薬代は仕入原価がかかっているのだから、原価だけ経費処理して、売上を計上しないことは認めないということです。

もちろん、保険医療機関担当規則では窓口値引きは禁止されていますが、税法では、そんな規則は気にしていません。稀に規則と税法の扱いをごっちゃにして混同している税理士さんもいますが、気をつけたいところです。

措置法26条適用(保険診療売上によって経費金額が決まる)の場合は、保険診療収入の額によって概算経費額が変わるため、税務仕訳により収入を正しく計上する必要があります(保険点数に合わせる必要がある。)。この場合、保険診療分の経費は概算経費になってしまうので、決算書の数値は税務的にはどーでも良いことになります。そのため、上記仕訳の借方科目は税務上は売上のマイナス科目でなければ何でもOKです。

ラフな説明ではありますが、参考にしていただければと思います(実額経費と措置法26条適用のいずれが有利かの選択は、今回は考慮しないものとします)。

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